豊かな自然の中で陶芸を、横浜 本牧市民公園の陶芸教室

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陶芸ギャラリー

全国公募 横浜アマチュア陶芸展

入賞・入選作品 2018

受賞作品の紹介
「くつろぎの時」
大屋 繁(千葉県)

全体の形を一体成形した後に、蓋部分を切り取り、合わせ目を削って仕上げている。
ゆったりとおおらかな形に施された和紙染めの構図や色彩の濃淡は絶妙で、白い地肌を引き立てている。品のある美しさで目を奪われた。

「我が棲家」
末岡 京子(滋賀県)

茅葺屋根の旧家の生活を想いながら作ったという独特な存在感のある作品。
細部まで丁寧に作り込まれており、全体的に施された繊細なマチエ-ルが青銅釉の効果を一層高めている。詩情あふれる佳品である。

「幾何文花器」
砂山 照子(神奈川県)

轆轤成形後、大胆にカットしたり付け足したりしながら動きのある形に仕上げた。
見る位置によって印象の変わる面白さを狙って成功している。マスキングテ-プを用い二色の釉を吹き掛けして深みのある色を出している。

「野良猫かあさん負けないで」
黒田 明子(神奈川県)

逞しく生きる猫の親子の姿を手捻りで制作。仔猫らを守り命を繋ごうとする母猫の力のある視線が良かった。焼〆めをベ-スに下絵具や釉薬を毛並みのみに施すことにより、単なる写実とは異なる魅力のある作品になった。

「息吹」
廣瀬 結香(神奈川県)

小さな作品ながら不思議な魅力のある作品。硬い殻の破れた隙間から覗く煌き、原初の命の誕生を『楽焼』で表現したという点が面白い。楽白釉に浮かぶ貫入や青釉の流れは、高温焼成では得られない柔らかさがある。

「天までとどけ」
土屋 悦子(埼玉県)

入選作品45点の中からネット投票で最も支持を集め、選出されました。

「黒マット金彩珈琲碗」
塚本 良平(神奈川県)
「夜空の彼方」
中村 幸代(大阪府)
「ジェット ストリーム」
鈴木 勝幸(東京都)
「練込緑釉掛花入」
大槻 誠(福島県)
「テカポの祈り」
齋藤 悦子(栃木県)
「香炉(まさる)」
松本 五浪(神奈川県)
「高坏菓子器「雪の石庭」」
伴野 孝雄(岐阜県)
「練込皿」
鳥居 敏則(千葉県)
「絵皿(木蓮)」
内藤 眞知子(神奈川県)
「練上面取古代」
岩出 和幸(茨城県)
「紅葉紋丸陶箱」
森 三千代(神奈川県)
「ちょっとクールな う・つ・わ」
岸 さよ子(大阪府)
「花器」
吉田 順二(神奈川県)
「墨はじき風七宝柄染付三段重「華」」
金子 身雪(埼玉県)
「静かな湖畔」
喜多 隆行(神奈川県)
「無限の夢」
小野 公也(神奈川県)
「花一輪」
古河内 滋子(神奈川県)
「ラセンシノギ」
西川 徳興(神奈川県)
「かおり気高く」
笹原 康惠(茨城県)
「練り上げBowl
Memory of Last Summer」

中村 浩一(東京都)
「深海」
秋本 晃江(埼玉県)
「染付装飾花器~華~」
髙綱 梓(東京都)
「薔薇のための光彩壺」
笹倉 ヨシ江(東京都)
「幻花」
石上 静子(神奈川県)
「スリップウェア的焼締角形花器」
中村 良一(神奈川県)
「山法師文鉢」
田中 一江(埼玉県)
「水差し Water Pot」
田中 秀治(神奈川県)
「陶箱(和紙染)」
窪田 由紀子(神奈川県)
「花器」
白井 緑(東京都)
「筒型花器」
水山 エツ子(神奈川県)
「ゆり柄コンポート」
大澤 のぶ子(神奈川県)
「丸皿移ろい」
田村 記代美(神奈川県)
「石の火花」
中村 幸代(大阪府)
「海を渡る蝶(A)」
入澤 元泰(神奈川県)
「浮き世かえる」
大屋 繁(千葉県)
「浪」
坂田 洋介(神奈川県)
「生命讃歌」
末岡 京子(滋賀県)
「ありのまま」
城戸 美佐子(東京都)
「Ethene(エテン)」
重田 勇輔(神奈川県)
「THE Tyrannosaurus」
栗又 真由美(神奈川県)
「和泰折衷獅子―吽―」
森谷 峻介(東京都)
「トルコ釉琉球獅子#1」
小森 秋雄(沖縄県)
「湧き空」
横山 太一(神奈川県)
「♡」
佐藤 柚(神奈川県)
ネット特別賞 投票方法

横浜市陶芸センターのホームページでは、受賞作品、入選作品の全写真を掲載しています。掲載作品の中から投票の多かった1作品が「ネット特別賞」に選ばれます。お気に入りの1作品をメールにて投票して下さい。

投票先 E-mail

info@yokohamasitougeicenter.com
件名を「ネット特別賞」とし、選んだ「作品名」を入力してください。
※1メールアドレスにつき、投票1回カウント

投票締切

2018年11月30日(金)

発表

2018年12月下旬ホームページ上

お問い合わせ先

横浜市陶芸センター
TEL. 045-623-8904

総評

丹澤 裕子(日本工芸会正会員)

横浜アマチュア陶芸展、テーマ部門は、『生命力・未来(時間をかけて継承されるもの)』という大きなテ-マで、どの様な作品が集まるのか楽しみでした。素朴にシンプルにテ-マを解釈した二点が受賞。
暮らしの器部門は様々な技法を凝らした力作が揃いましたが反面、圧倒的な存在感のある作品が少なく、その為審査は作品の魅力に加えて完成度の高さが受賞の決め手になりました。大賞はすっきりした佇まいの美しい作品で満場一致で大賞となりました。

田辺 和郎(美術家)

今回は奇妙な天候の下で生まれた応募作でもあり、永年使いこんだ身近な品々が落下し砕かれてしまった年。それをひっくり返す元気ものはいるか?
砂山さんの『幾何文花器』は抽象絵画の旗手フランク・ステラの線に通じるものがあり、同時代の制作者の感性はこんなに近く造形の核となっていることが陶芸作品で示された。鋭い曲面のエッジとマスキングによる直線の交差が対立しながら融合する作業を作者はたのしんでいるらしい。
末岡さんの『茅葺の旧家の生活を想いながら作った』という不動の量感は、美しい比率で二分されて蓋物に。細やかなリズムを円い点で加え、時を刻んだ大型屋根は青銅色に。上部の鳥の飾りは少し整理しても充分美しい。
広瀬さんの『息吹』はイタリアの造形作家ルチオ・フォンタナの野外彫刻を思い出させ深く、呼吸する始原的造形を一握りの粘土で挑戦する姿勢が明快。フォンタナは平面作品では油彩のキャンバスを鋭く切り裂いて新空間を提示したが、広瀬さんは球形を開いて中へと視線を誘導させようとする。怪しげな空間を陶に持ち込もうとしている意欲作には個数をふやして並べる・積むなどの展開もある。
黒田さんの『野良猫かあさん負けないで』は授乳する親の目がよく、手足の投げ出し方や絵つけのタッチも迷いがなく、のびやかで生命力充分。粘土の量もぴったり。
大屋さんの『くつろぎの時』は影を感じさせない白の全体のふくらみから『蓋の切り取りがうまくいった』ともらす作者の困難と勇気の混じりあう制作時間こそ、陶芸の時なのです。絵付けされた蟹はそれを苦笑するかのよう。ゆったりとした空間を捉えた器の誕生です。大賞おめでとうございました。

小澤 忠(横浜市陶芸センタ-長)

第5回目の『横浜アマチュア陶芸展』の応募作品数は192作品(北海道~沖縄まで)のエントリ-があり、『暮らしの器』部門137点、『生命力・未来』部門には55点、10代の中学生から80代までの幅広い年齢層からの応募がありました。大賞を受賞された大屋繁さんの『くつろぎの時』は柔らかい卵の表面に静止した蟹が違和感なくそっと貼りつき、蓋の金彩取手に器全体が引き締められた静寂感のある作品でした。黒田明子さんの『野良猫かあさん負けないで』は子猫を慈しむ猫家族の母猫目線に圧倒され、子育てに微塵の躊躇も感じさせない母猫の存在感に圧倒されました。

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